盂蘭盆会~ご先祖へのご供養であると共に、日々の生活の忙しさに追われて見失いがちな心の豊かさを取りもどす行事でもあります。
 お彼岸とは

お彼岸とはそもそもどんなもの?

お彼岸は、春分・秋分を中日として、前3日、後3日の各7日間をさします。 仏教では迷いを離れた悟りの世界を「彼岸」とし、今私たちが生きている世界を「此岸」として、 彼岸に至ることができるよう「六波羅蜜」の生き方の実践を1日ずつ行います。 中日にはご先祖への感謝の思いをもってお墓参りに行きます。

「彼岸」は西に位置し「此岸」は東に位置するとされ、春分と秋分には太陽が真西に沈むことから、 彼方の極楽浄土に思いを馳せたのが彼岸の始まりといわれています。

六波羅蜜を修業・実践し、彼岸(悟り)の境地に達する

「六波羅蜜」は、この世に居ながらにして彼岸に至るための6つの修行のことです。

  1. 布施-水-ほどこし:ものを施し与え、法を説き、衆生の恐怖を救って心を救うこと
  2. 持戒-塗香-掟を守る:戒律を守り常に反省すること
  3. 忍辱-花-耐え忍ぶ:迫害に耐え忍ぶこと
  4. 精進-香-はげみ:ひたすら実践すること
  5. 禅定-飯食-しずけさ:心統一して安定して真理を悟ること
  6. 智慧-灯明-仏のまなこ:道理を正しく判断して、いのちそのものを把握すること
 春の「ぼた餅」、秋の「おはぎ」

もともと小豆は古くから漢方薬として使われ、赤い色に魔除けの効果がある、邪気をはらうとして先祖の供養に使われていたといわれ、 この小豆に高価な砂糖を使って特別な日の食べ物としてご先祖にお供えしたのがはじまりのようで、 江戸時代後期ごろに砂糖が手に入りやすくなったことから今のような甘いものになったようです。

春のお彼岸には牡丹餅=ぼたもちとして形も丸く大きくし、 秋のお彼岸には萩餅=おはぎとして細長く小ぶりの俵型に。 また、秋は獲れたての新鮮な小豆を使うので皮もそのままつぶあんで、 春は保存した小豆で皮が固くなるのでこしあんにするそうです。 (但し、諸説あり)

江戸時代に出版された『和漢三才図会』には、「牡丹餅および萩の花は形、色をもってこれを名づく」と記述されているそうです。

 マナー
そなえてはいけない花

有毒な花(彼岸花、スズラン、水仙)
仏様が食べられたら血を吐いて毒死する、血を吐くことは穢れだといわれているため。
香りが強い花(ユリ、バラ)
虫が寄ってくるため不浄となる。熟す実がなるような植物も同様。また、線香の香りを消してしまうからともいわれる。
とげがある花(バラ、アザミ、ざくろ)
とげが刺されば血が出る、血の赤は仏様に失礼にあたる、仏様が居心地が悪くなるため、また、トゲのあるものを玄関に置き厄病除けに用いてきたことから、仏前にはふさわしくないとされている供え物は仏様の慈悲を表すので、毒やトゲのあるものは相応しくないとされている。
つるがある花(朝顔、クレマチス)
つる花はからみつくため昇天できないといわれている。
花がまるごと落ちる花(ユリ、つばき)
花が一気にポロリと落ちる様が、首が落ちる(もげる)イメージや即死を連想させるため。

ロウソクや線香をあげる時のマナー

口で火をけしてはいけない
人間の口は、身体・意識とともに「身口意」といわれ、人間の全ての悪い行いはこの3つのうちどれかから生まれるといわれている。線香やろうそくは仏様へのお供えなので、人間の口で穢すしてはいかないという考えから。
線香の火は縦に消す
線香の火を息で消さないのは上と同じ理由だと思われますが、縦に消すのは消えやすいことと火が飛び散らず安全だからだと思います。
お線香を上げる順番
故人に近い関係から順番に上げ、その後は年長者から。
特別な理由はないように思いますが、故人に近い方の悲しみや痛みを思いやる心や、年長者への尊敬の心など、日本人古来の人との関わり方がもとになっているのではないでしょうか。宗派や地域などによってそれぞれの意味もあるかもしれません。
お線香の立て方や色、種類
お線香の立て方や本数など、宗派によって違いがあるようです。 天台宗や真言宗では、3本の線香で「仏」「法」「僧」という教えの大切な要素の「三宝」を表現します。3本の線香をあげてこの三宝に帰依するという意味がこめられた所作ということです。香炉の中に逆三角形になるように立てます。

但し、天台宗や真言宗でも、四十九日までは故人の枕元に立てるお線香は1本のみで、通夜から葬儀にかけての作法です。これは、亡くなった方の霊魂が四十九日まではこの世にあり、お線香の灯りが道しるべになるという教えからで、霊魂が道に迷わないよう1本にするのだそうです。

墓石に水をかけるときのマナー

渇きを救い、洗い清める
お墓に水をかけることには、仏教的な意味が関係していて、人が亡くなったあと輪廻するという6つの世界の内、餓鬼界には水がないため喉が渇いて苦しまれているご先祖に、お墓に水をかけることで少しでも渇きから救うため、また、お墓にかける水は、墓の周りをさまよう餓鬼への施しともいわれています。

他にも、ご先祖の魂をお呼びするために水をかけるという説もあるそうです。墓石にはたっぷりとお墓全体が濡れるくらい水をかけます。これには、お墓を洗い清めるという意味も込められています。
安請け合い
隣の墓や無縁墓など、かわいそうに思って掃除などしてあげたいと思う方もいると思いますが、安易に掃除したり手を合わせたりしない方がよいでしょう。 故人が残した想いのエネルギーは解ってくれる人に頼ってきたりします。冷たくするわけではなく、ずっとお世話はできないのですから、生きている人との間でも安請け合いはよい結果を招かないのと同じです。
 お彼岸の期間(2018年)

春・秋のお彼岸の日程の決め方は?

「春分の日」と「秋分の日」は国立天文台が作成する「暦象年表(れきしょうねんぴょう)」に基いて閣議によって決められます。毎年2月1日付で翌年の該当日が発表されます。国民の祝日であるため、官報にも掲載されます。

2019年(平成31年) 秋のお彼岸(秋彼岸)
  • 彼岸入り:9月20日(金)
  • 秋分の日:9月23日(月・祝)
  • 彼岸明け:9月26日(木)
2019年(平成31年) 春のお彼岸(春彼岸)
  • 彼岸入り:3月18日(月)
  • 春分の日:3月21日(木・祝)
  • 彼岸明け:3月24日(日)