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蓮華院金剛寺
座主 木原秀成
 
 
盂蘭盆会
 
 
 盂蘭盆会の起源
 
盆と盂蘭盆はもともと違うものでした。日本では1年を正月と盆の半期ずつに分けており、正月にも盆にも固有の先祖祭りの信仰がありました。
正月は祖霊を年神(五穀を司る神)として、盆は生盆、生御霊として別の形で捉えていました。また「盆」とはお盆に迎える霊に供える器のことを指していたのです。
また盂蘭盆は、仏教から来ています。盂蘭盆とは、逆さづりで、さかさまに吊るされるような苦しみのことです。そして死者が受けている苦しみを救うための供養が盂蘭盆です。
地獄に落ちた母親を目蓮が弟子たちと共に救ったとされるのが始まりですが、日本には推古天皇(606年)がはじめて催し、聖武天皇(733年)から年中行事となった、古い伝統ある行事です。
現在はお盆といえば盂蘭盆ですが、日本古来の風習や道教・仏教とさまざまなものが融合されて現在の形になっているのです。
 
 盆棚(精霊棚)
 
精霊をまつる棚を盆棚(精霊棚)といいます。
四方に篠竹を柱として立て、下に棚を作り、棚の上に真菰を敷き、竹と竹の間は真菰の縄を結んで盆花、瓢箪などをかけ、周りには、青杉葉をめぐらせます。盆花にはほおずき・女郎花・桔梗・萩などの秋草が多く飾られます。
迎え入れた精霊は真菰の上に安座するので、位牌を中央におき、胡瓜の馬と茄子の牛をそばに置きます。
精霊はその馬に乗り、荷物は牛に背負わせて帰ってくるとか、帰ってくるときは足の早い馬に乗り、送るときはゆっくり歩く牛に乗っていくとも言われています。
8月13日に迎え入れたご先祖様の霊に対して、盆中には朝晩お参りし、毎日のお供え物には変化をつけます。
例えば、13日(お迎え団子)、14日(おはぎ)、15日(そうめん)、16日(送り団子)という具合にです。箸も変えて供養するしきたりがあるのです。
 
 精霊送り
 
精霊送りには、主に2種類あります。海への精霊送りが「灯籠流し」であれば山への精霊送りが「大文字焼き」ということになります。
盆棚に供えられたものは、送り船といって、わらや真菰に包んで川や海に流します。美しく飾られた精霊船に霊に供えた一切のものを乗せて、灯火をつけてご先祖様の霊を海に送り出すのです。
これが「灯籠流し」です。
また「大文字焼き」は、如意ヶ岳の麓にあった浄土寺が火事になったとき、本尊阿弥陀如来が如意ヶ岳の山頂に飛来して光明を放ったので、これを後世に伝えるため火祭りを行ったことが始まりで、後にお大師様がその光を大の字に改められたといわれています。
 
 盆灯籠
 
釈迦が盂蘭盆会に経を読んで人々に聞かせていたとき、突然1匹の蛇がでてきました。会衆が驚いて騒いだので、釈迦は蛇がこないように灯火を焚くと虫が飛び込んで死ぬので、改めて薄い布で灯火を覆って、虫が飛び込んでこないように指示したと言います。これが切子灯籠の始まりとされています。
 
 千年の伝統ある行事
 
お盆供養は1400年の歴史と伝統がある、日本人の心の財産ともいうべき大切な行事なのです。
私たちの霊線はご先祖様とつながっています。ですから、ご先祖様を供養させていただくということは、自分自身も供養するということなのです。


少し前まではお盆というと、世間全体が何となく落ち着いて、お盆という雰囲気がしたものです。
しかし、最近はお盆も正月も何かいつもと変わりなくせわしい感じがします。竹も節目があればこそ、しなやかで強い竹に成長します。
亡き人を偲び、お墓にお参りしたり、お仏壇にお供え物をして、ご先祖様の安らかな成仏を祈る・・・・。
心の豊かさを失いつつある現在において、お盆の行事は、死者へのご供養であると共に、また、日々の生活の忙しさに追われて見失っていた心の豊かさを取りもどす大切な行事でもあるのです。
 
 
 
 
   
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