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運命のしくみ
 
縦横の法則
 
 歴史は繰り返すと言われますが、家系の歴史ははっきりした法則で繰り返しのパターンが現れてきます。
 先祖の人生と子孫の人生がどのように関わっているのかを知ることができる法則です。
 数代前の先祖の行いが何代にも亘って子孫に影響するのですが、必ずしも悪い面だけではありません。努力し成功した面も子孫にはしっかり伝わっていくのです。
 やがて、それは家系の特徴のようにいわれたりします。
 長男の立たない家系とか、酒飲み短命の家系とか、女ぐせの悪い家系とか、様々に噂される目立つ家系もありますし、平凡で何もなくて我が家が一番だという家系もあるでしょう。それも皆、何代にも亘りよく似た人が出るからなのです。
 
 縦横の法則―男性編
 息子三人の人生が先祖の人生に酷似ー法則発見の経緯
 
 一九八二年六月、私は群馬県の高崎市で、ある家系を調べていました。代々、高崎の駅まで他人の土地を踏まないでも行くことができたというかつての大地主の、その本家に伺ったとき、息子三人の人生が、先祖の人生にあまりに類似し、順番まで適合していることに気づいたのです。「長男は曽祖父に、次男は祖父に、末っ子の三男は父に似ている!」(図1参照)
 曽祖父は村長をし、生け花の師匠もしていた文化人でした。その子である祖父は若きころより悪友にそそのかされ、博打に懲り遂に先祖代々の土地までも失い、借金取りに追われ行方不明となった人です。二人の子供と老母を抱えた祖母の苦労は、今日子孫に伝わっていました。 その母の苦労を見て育ったのが現戸主の方でした。先祖の土地を離れてはいますが、一応の安定を確立することができ、まずまずの成功を収めました。
 その子である長男は群馬大学を出て官庁に勤め、重要なポストにあり、中々立派な人です。
 次男は、高校時代に悪友と問題を起こし、やがて家を飛び出し、一時行方不明となりました。
 三男は、技術畑に進んで会社勤めをし、まずますの安定した生活をしています。
 この家系の先祖代々の縦の人生の風景が、実に単純に兄弟の横の順番になっていることを発見したのです。もう二十三年前のことになりますが、これを「縦横の法則」と名付けました。
 その後、たくさんの家系を調べても、私の結論は変わっていません。
 
 縦横の法則―女性編  男性とは違う繰り返され方を発見!
 女系家族の丸井家三姉妹
 
 家計調査では本家にお伺いし過去帳や墓地などを見せていただく必要があります。
 そのときも本家である丸井家のお宅に過去帳などを見せて頂きたく訪問したのでした。
 たまたま長女の美佐江さんもお子さんをあやしながらお話に参加されており、長女の二人も女の子で次女の今度生まれた子も女の子で三女の子も女の子だという話でした。「うちは典型的な女系なのですよ」とのことでした。(図2参照)
 いま跡取りのことで揉めており、お母さんとしては三女に家を継がせたいとかねがね考えていたそうです。
 長女の美佐江さんはすでに他家の跡取り息子に嫁いでおり、次女の佳苗さんも東京の方に嫁いで愛媛に戻ることはまずないとのことです。
しかし、三女の好美さんには女の子幸がいて自宅に居候しているという話でした。
 お母さんとしては一緒に住んでいる三女の子にとても情が移り、ゆくゆくはその子幸さんを跡取りにしたいというのです。
 少し話が飛んだような気がしましたので、「そうすると好美さんは結婚しておられないのですね」と大変失礼な領分まで入りこんで聞いてしまいましたが、いやな顔一つされず、その経緯をお話いただきました。

 そのときです。私の頭にあるできごとがよぎりました。現実に結婚していても戸籍に入れることができない昔の戸籍制度です。現在はそういうことはありませんが、戦前まで戸主の男性と戸主の女性が結婚した場合一方の家は廃家届を出して受理されなければ戸籍上、子供は嫡出児とは認められないという制度の不備があったことです。
 すると、祖母のくらさんは戸籍上、非嫡出児となってはいないかと思い、聞いて見ました。答えはその通りとのこと。
 私は愕然としたのです。女性は長女から上に順番に風景がトレースするのだと確信しました。
 長女の美佐江さんはお母さんの風景を受け継いでしっかりした結婚をしたのであり、次女の佳苗さんも祖母くらさんの風景で幸せな結婚となっているのであり、三女好美さんはくらさんの母親ツルさんの風景なので、その様な経緯で入籍して貰えなかったのだと確信しました。
 すると、幸さんは初子さんからすると母親のくらさんの位置にあたるので特別な情が移るのではないかと予想することができました。
 なぜそこに行き着いたかといいますと、愛媛に来る前日まで高知県で別の家の調査をしていたのです。それがまったく同じ問題だったのです。
 あなた自身もこの法則に当ててみて下さい。あなたは先祖の誰の人生と同じになりますか?
 
与那嶺正勝著『家系の科学』から抜粋させて頂きました。研究の余地はありますが、傾向としては参考になりますので、みなさんも参考にしてみてください。
 
 
 
 
   
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